トンブクツ(西アフリカ)
/ 情報誌『デス・ウオッチング』89.9より
トンブクツは西アフリカ、ニジュール川北岸に近い商業都市で、サハラ横断隊の要地
となっている。トンブクツの宗教はイスラム教で、葬儀の仕方もそれに準じている。今
回は奴隷化され文化変容を受けたスーダン上着民ベラの葬儀を見てみたい。
人が死ぬと、出入りの聖者(マラブー)が呼ばれる。死者の近くに潜んでいると思わ
れている悪霊を恐れて、親族のものは死体に触れない。聖者が死体を持ち上げ、敷物の
上に頭を南側にして横たえる。死者にとって異性に当たる者は家から出て戸が閉ざされ
る。遺体の洗浄は死装束が準備されている間に行なわれる。その間、3、4人の男が墓を
掘りに行く。
会葬者は砂を死者にかける
墓では遺体は墓を掘った人々によって取り扱われる。彼らは遺体を丸い墓の底の溝に
頭を南に向けて置く。
布で覆うコーランの文句の護符は、遺体の頭の付近に刺した棒に結び付けられる。会
葬者は手に砂をすくい、「アッラーの神を賛えよ」とアラビア語でつぶやく。そして砂の
中に唾をはき、その砂を死体の上に投げる。
それから木片が幕の穴を横切るように置かれる。遺体を包んでいた敷物が裂かれ、半
分づつ木の支えの上に掛けられ、その上にワラが積まれる。
会葬者は手で砂をすくって、一杯になるまで墓の中にいれる。砂は墓の上に山盛りに
され、頭と足の部分に棒が立てられる。
時には平の墓石が置かれ、その上にアラビア文字で死者の名前と母親の名前が刻まれ
る。集まった人々の中から7人が墓前で最後の祈りを捧げ、墓地を離れる。振り返って
はいけないというタブーはないが、墓は親族や友人によって訪問されることがない。彼
らにとって墓地にいくことはとても恐ろしいことであるから。
死者は葬儀の全てを知っている
男たちが埋葬に出かけている間、女たちは遺体が残した影響を取り除く作業に余念が
ない。遺体を洗浄して濡れた砂が床から集められ、町から離れた場所に運ばれる。
死者の家の中に悪霊の嫌いな香がたきつめられる。埋葬のあと、葬列の参加者が死者の
家に戻り、女たちや未亡人を慰める。
こうした訪問が7日間続けられる。人が死んでも死者の意識は永久に続くと考えられ
ている。遺体となった人の魂は、葬儀の進行やみんなの動きを承知している。この継統
する意識があると信じられるため、死者を墓地の親族の近くに埋める。遺体が埋められ、
一行が墓地を離れると、遺体はすぐに墓地から起き上がって人々のあとを迫う。そこで
彼に「墓にいなけれぱならないし、そこは家よりもずっと良いものだ」と説得する。
遺体が埋葬されたあと、鉄の棒を持った天使が現われる。彼らはとても恐ろしい顔を
している。この天使が死者に、「お前は我々のうちの1人か、それとも神に属するもの
か。」と質問する。死者の生前の功罪に基づいて、神が死者の口から答える。もしその男
が神に属していて、良い人生を送ってきたのなら、彼は審判の日まで静かに墓の中にい
て、肉体は腐敗しないであろう。逆に、悪事を行なった者であれば、その体は地中の虫
たちに食べられ、彼の墓は蛇で一杯になり、苦痛がもたらされる。大地は地表下が7層
になっており、神の処刑の天使が悪人を墓もろとも7段目まで下ろす。天空も7段あっ
て神と天使たちは7段目の天国に住んでいるのである。
(資料『未開都市トンプクッ』マイナー著)
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