ガダルカナル島

/ 情報誌『デス・ウオッチング』91.12より


 
 ガダルカナル島は南西太平洋、ソロモン諸島にある火山島で、面積は約6500平方米。 太平洋戦争で、アメリカが日本に初めて大規模な勝利をとげた島で有名である。この島 は1567年にスペイン人に発見され、1893年に英国の保護領となる。
 この島の東北部山地人では、人が臨終になると親族全員が別れに来る。息を引き取る と泣き始め、これがしばらく続いたあと、家を掃除して告別のために死体を安置し直す。 未亡人は女たちの協力を得て、遺体を洗いそして頭髪を剃って新しい服に着せ変える。そ のあと家の中央に運び新しい畳を積み重ねた上に安置する。これがすむと男たちは家の 中に入ることが許され、親族は円盤や装飾を遺体の上に乗せて飾り付ける。
 次に死を遠方の親族や未亡人の氏族に知らせる。未亡人の氏族は、死者の家に到着す ると「夫を十分に看病しなかった」として未亡人を責める。「我々に恥をかかせ、夫を殺 した」といって責められる、死者の血族によって止められるまで続く。これは死から発 生する、遺族の罪の意識や怒りを解消するために不可欠な儀礼であるという。2日間、死 体を家にとどめ、その間様々な挽歌を歌う。親族はそれぞれ歌があり、交代に歌うので ある。その間、様々な人たちが弔問に訪れる。
 

   死体処置


 死体処置の方法は埋葬または火葬で、それは親族の遺志で決める。埋葬の場合に、死 体を包んで家から離れた林の中に運ぶ。墓穴はそれぞれの親族から2人づづが出て、4人 で穴を掘る。死体を埋葬する方角は太陽に向けるか、あるいは死者の霊が住む山に向か せる。埋葬がすむと、葬列は村に戻る途中で沐浴し、額に石灰を塗る。埋葬は死者が腐 敗するまで、死霊を慰めるために大饗宴を催す必要があるため、大変に費用がかかる。そ して赤痢などの伝染病のときは、火葬をしないという。それは伝染病の霊が肉体の焼け る臭いをかぎ、遺族を襲うと考えるからである。
 死者の親族は会葬者に対して御馳走しなければならない。まず豚を殺し、タロ薯を掘 る。それから遺族は泣いてくれた人にイルカの歯を贈る。
 火葬を行なう場合には、林の中に火葬壇を作り、遺体をその上に置く。薪は何でもよ いが、火は家の火を使わない。それを使うと2度と家の中で料理が出来ないという。火 葬壇を作り、火葬を執行した者に対して、墓掘り人と同様に喪主から謝礼を受ける。
 

   100日間の外出禁止


 未亡人は、死後100日間家から出ることが許されない。その間夫の姉妹に面倒を見ても らう。喪の期間は身体を洗うことが出来ず、食べ物は野生の根茎とタロ芋だけである。1 週間の間話しすることが許されず、残りの期間も話し掛けられたときに、小さく返事す るだけである。葬儀後6カ月すると、死者の血族は未亡人のために饗宴を催し、服喪をね ぎらうのである。死後1年すると親族は墓を掘り、頭蓋を掘りだして清め、1カ月家に置 いてから、林の中の頭蓋置き場に納めるのである。この風習は洗骨と似ていて大変に興 味深い。
 

   死者の行き先


 ガダルカナル島のすぐ北にある小さなフロリダ島では、死者の霊は埋葬によってあの 世に行くが、殺され埋葬されない霊は、迷ってその場にさまようという。死者の霊は泣 きながら船着場に行き、そこで待っている舟に乗ってあの世に行く。死者の霊はあの世 につくと1人の死霊にあい、鼻に棒を通して、軟骨に穴があいているかどうかを調べられ る。あいていれば安楽に道をたどるが、あいてない者は苦労してあの世に行く。



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