沖縄
/ 情報誌『デス・ウオッチング』90.2より
沖縄の葬制が本土と大きく違うのは、洗骨の風習があることである。死者が出ると、ま
ず始めに湯かんを行なう。このときの水は初湯のときに使った泉の水を用いるのが原則
である。これは冷たい水にお湯を注いで作る。これをサカミジ(逆水)と呼ぶ。死者に
着せる死装束は奇数で、たいがい5枚か7枚である。これをグソージン(後生衣)と呼び、
色は白がほとんどである。
死装束を着せ、仏壇のある部屋に頭を西に向けて寝かせる。それから4つの供え物をす
る。それは枕飯、汁、豚肉と豆腐を盛ったもの、そして小麦である。地域によって異な
るが盛り飯は必ずつく。それから死者にはいろんな服葬品をもたせる。これは死後も現
世と同じような生活を営むと考えているからである。
通夜から野辺送りまで
昼頃までに亡くなったら、その日に葬儀を行なうため、通夜はどうしてもその日に葬
儀が行なえない場合に限られた。通夜の場合、蚊帳か幕を張り、女性達は中に入って死
者を取り囲んで焼香をする。葬具の主なものに、死者を運ぶガンと呼ぶ輿がある。それ
から竜頭をかたどったものを竿の先に付け、葬列の先頭を行く地方もある。白位牌は2基
作り、1基は墓に持っていき、1基は49日まで仏壇に飾っておく。
野辺送りは引き潮に合わせて行なうのが普通で、死の現象は塩が引いていくようにあ
の世に行くという発想がある。野辺送りの行列の順序もまちまちで、松明が先頭に行く
所と、旗などが先頭に行く所である。墓に行く途中ではシマミシー(島見せ)という儀
式がある。これは死者に最後の別れを告げるため、死者の入っているガンを村の方に向
け、眺めさせるという儀礼である。これは村の家が見えなくなる境目で別れの酒を供え
て行なう。
墓に着いてからは、墓の土地の神様に供え物をし祈願をする。次に墓の入り口で、祖
先に「○○を連れてきましたので入れてください」と言うのである。墓の入り口は大き
く2人が棺の箱をもって中にはいる。やはり頭を西に向けておき、後ずさりして出てか
ら出口を閉めるのである。墓から帰る途中には、川や海におりて手足を清める。これを
しない地域では、塩水を玄関に用意しておいて体に振りかけてから家に入る。
洗骨の風習
沖縄では30年頃前から火葬が普及した。しかし普及していない離島ではいまだ、風葬
および洗骨が続けられている。洗骨の風習は東南アジア、台湾などにもあり、少なくて
も100日以上経過してから行なわれる。また死後3日、21日、35日、49日に行なわれる
儀礼は、現世に執着する霊を他界に落ち着かせる意図をもっている。死霊は、洗骨ある
いは33年忌を契機に、カミとなって天に昇るといる観念は、沖縄全土に見られるもので
ある。
(資料「沖縄の葬送儀礼」名嘉真宣勝『祖先祭祀』凱風社より)
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