交通事故と法
●交差点内の事故 (交差点における他の車両との関係)
車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、交差点の状況に応
じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び交差点
又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方
法で進行しなければならない。違反する者は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に
処する。(道路交通法36条)
平成4年の交差点内の死亡事故発生件数は3837件で、35%という高い発生率を示して
いる。次の2つの事故はいずれも信号無視が原因で起きている。
信号無視で交差点で激突、5人死傷
10月24日午後9時5分ごろ、東京都多摩市、都道鎌倉街道の新大栗橋交差点で、塗装
工A(19)が運転する5人乗りの乗用車が赤信号を無視して交差点に突っこみ、会社員
(20)の乗用車に衝突。この事故でAの車の後部左座席にいた女性(16)が頭の骨が折れ
るなどで死亡したほか、同乗の少年少女3人等が1〜2週間のけがをした。警察署では
Aを業務上過失致死と道交法違反(信号無視)の現行犯で逮捕した。( 朝日85・11・25 夕)
2輪車2台、信号無視で交差点で軽乗用車と激突。3人死に1人重傷
8月21日午前3時10分ごろ、宮城県石巻市の市道バイパス交差点で、高校二年生(16)
のオートバイと、並んで走っていた店員(16)のオートバイが、生命保険外交員Sさん
(34)の軽乗用車の右側に衝突。オートバイの高校生と外交員Sさん、軽乗用車に同乗し
ていた飲食店経営Mさん(36)の3人が全身打撲などで即死、店員も足の骨折などで重
傷を負った。
石巻署の調べによると、オートバイの2人は蔵王へツーリングに行く途中で、赤信号
を無視して交差点に入った。オートバイはかなりのスピードを出していたとみられ、壊
れたスピードメーターは90キロを指していた。軽乗用車は右側が大きく壊れ、衝突地点
から20数メートルも飛ばされていた。(朝日85・08・21 夕)
●居眠り運転
道路わきで休息中へ追突、11人が死傷
8月6日午前1時40分ごろ、千葉県流山市の常磐自動車道の上り車線で、東京都の運
転手A(28)のトラックが、路肩部分に停車していた3台の車のうち、最後尾の会社員
(35)の乗用車に追突、突き出された乗用車は前に止まっていたTさん(33)のワゴン車
Oさん(34)の乗用車に玉突き状態で激突した。この事故でワゴン車Oさんの車に乗っ
ていた会社員(45)とTさんの車に乗っていたNさん(42)の2人が全身を強く打って
死亡したほか、運転手Aと追突された3台の車に乗っていた計9人が頭などに重軽傷を
負った。茨城県警高速道路交通警察隊の調べでは、運転手Aがブレーキも踏まずに追突
しており、居眠り運転とみている。(朝日85・08・06 夕)
若者の自動車事故
平成4年12月現在、日本全国の自動車の保有台数は約6千万台。国民1人あたり0.5台
である。30歳未満の単身者世帯では、43.9%が自動車を保有している。さて平成3年の15
歳から19歳までの交通事故による死者は1989人であるが、同年齢層の死亡総数が4106
人であるから、この年令層の約半数が交通事故で死亡したことになる。
交通統計では16歳から24歳までを若者としているが、平成5年度の若者の交通事故死
を取り上げてみよう。まず男女比では、男性が2551人(83.8%)、女性が494人(16.2%)
と圧倒的に男性の死亡率が高い。次に死亡事故が発生しやすい曜日では、日曜日が654人
(21.5%)、土曜日542人(17.8%)と土、日が高く、合わせて40%近くを占めている。
●バイク事故
16才から24才までの交通事故による死亡者で、自動車乗車中の死亡者は53.7%、自動
二輪乗車中の死亡者は約30%である。(平成4年)次の単車の事故は、いずれも交差点内
で起こったものである。
バイクとトラックが衝突
9月6日午前零時38分ごろ、東京都多摩市乞田の都道交差点で、会社員Tさん(21)
運転のバイクと、会社員Sさん(36)の貨物トラックが衝突。バイクを運転していたT
さんは、頭を強く打ち、府中市内の病院で死亡した。日野署の調べによると、現場は信
号機のない交差点。バイクのTさんが、一時停止の標識があるのに、停止をしないまま
交差点に入ったため、出合い頭に衝突したらしい。(朝日85・09・06 夕)
単車相乗り、少年少女4人がダンプと衝突し死傷
12月14日午前零時20分ごろ、千葉県木更津市の国道16号交差点で、女子中学生ら少
年少女4人が相乗りした無免許運転の400CCオートバイと大型ダンプカーが衝突。オー
トバイの中学2年のKさん(14)と家業手伝いのI君(16)が首や頭の骨を折って即死、
中学3年A君(15)と無職B君(16)も頭や顔を強く打って重体になった。同署は、ダ
ンプカー運転手を業務上過失致死傷と道交法違反(安全義務違反)の現行犯で逮捕した。
4人は1台のオートバイに相乗りしていた。調べでは、大型ダンプカーが国道16号の交
差点からバイパスへ右折しようとしたところ、前から来たオートバイが大型ダンプカー
の左前部に衝突した。調べに対し運転手は「自分の車が曲がったところへ、オートバイ
が突っ込んで来た」と供述している。(朝日85・12・14 夕)
●シートベルトと効果
平成4年の自動車乗車中の死亡者四、783人のうち、76.9%の人がシートベルトをして
いなかった。総理府のアンケート調査では、一般道路でのシートベルト着用率は約65%
である。次のケースはシートベルトをしていて助かった人と、その逆のケースである。
シートベルトが命の分かれ目
9月14日午後11時半ごろ、福島県河沼郡の村道で、会社員Kさん(26)運転の乗用車
がハンドル操作を誤り、道路右側の沢に約250メートル転落。現場は緩い左カーブの峠
で、道路は舗装されておらずガードレールもなく、ガケ下はほぼ絶壁。運転していたK
さんは車から投げ出され、全身打撲で即死、助手席の農協職員Oさん(28)は頭などに
3週間のけがをした。会津坂下署の調べだと、Kさんはシートベルトをしておらず、割
れたフロントウインドウから投げ出された。Oさんはシートベルトをしており、車が縦
方向に回転しながら落ち、前後部は大破したが、一命を取りとめた。(朝日85・09・16)
ベルト締めず2人が激突死
9月21日午前1時半ごろ、横浜市戸塚区の国道1号立体交差点手前で、会社経営Hさ
ん(33)運転の乗用車が、時速約100キロで走行中、本線と側道の間の分岐点に立てられ
ているコンクリート製点滅灯に激突。車は前部がメチャメチャに壊れ、Hさんは内臓破
裂で死亡、助手席の会社員Kさん(25)も頭の骨が折れて即死した。戸塚署の調べでは、
いねむり運転らしい。2人ともシートベルトをしていなかった。(朝日85・09・21 夕)
●高速道路での事故
(停車及び駐車の禁止)自動車は、高速自動車国道等においては、法令の規定もしくは
警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は
駐車してはならない(第75条の八)
高速道路での事故件数は、平成4年度では人身事故5659件。うち死亡事故は314件で
355人である。自動車事故による全死亡数の約3%とその割合は少ない。事故の発生状況
では、車両相互の事故が全体の55%。この車両相互の事故でも、車線上停止車への追突
が最も多く、次いで走行車への追突の順である。次にあげるケースは、停止中の車への
追突と走行車への追突、スリップによる縁石への衝突である。
パンク修理中の車に追突し、1人即死
8月22日午前7時25分ごろ、千葉県浦安市の首都高速道湾岸線下り線で、Oさん(28)
の運転する乗用車が、パンク修理のため中央分離帯寄りの車線に止まっていた乗用車に
追突、前の車は炎上し、後部トランクの後ろで修理しようとしていたMさん(18)がO
さんの車との間に挟まれ即死。会社員Tさん(19)は、車の後方で停止表示板を置こう
としているところをはねとばされ、左後輪付近にいたAさん(19)もはね飛ばされて足
や肩の骨を折って重傷。千葉県警高速道路交通隊の調べによると、Oさんが前をよく見
ていなかったらしい。( 朝日85・08・22 夕)
中央道で追突、2人死に1人重体
9月2日午前4時40分ごろ、山梨県大月市の中央道下り線で、ブドウを運んでの帰り
の運転手Nさん(37)のトラックが、建築資材をとりに行く途中のTさん(29)の運転
する大型トラックに追突。追突したNさんの助手席にいたSさん(20)が頭や胸を強く
打って即死、追突されたTさんもハンドルに胸を打つなどして約50分後に死亡した。N
さんも頭や腹を打ち重体。県警高速隊の調べでは、2台ともかなりのスピードが出てい
たらしく、追突したトラックは前部が大型トラックに食い込み、大月消防署からレス
キュー隊が出動して救出した。(朝日85・09・2 夕)
東名でスリップ、縁石に衝突し2人即死
8月31日午前3時前、東名高速道路の多摩川にかかる橋から、タクシーが急ブレーキ
をかけたところ、スリップ、蛇行し始めた。タクシーは3車線の真ん中の車線を約20メー
トル走ったあと、左側車線と路側帯を斜めに31メートル突っ切り、道路左側のコンク
リート製縁石に衝突。勢いで縁石の外側の欄干に横向きに乗り上げた。T運転手と後ろ
の座席に乗っていた商事会社部長Yさん(49)は、それぞれ頭などを強く打ち、即死し
た。タクシーはそのまま、欄干の上を約28メートル滑り、鉄製の照明灯に激突、約10メー
トル下の多摩川の河原に、屋根を下にして転落し、大破した。台風14号の余波で、事故
当時、路面には数ミリの雨がところどころにたまっており、このためにスリップした可
能性が強い、と警察はみている。( 朝日85・08・31 夕)
交通犯罪
平成4年度の、業務上過失致死傷事件として送致された件数は61万件にも及ぶ。これ は5年前の昭和62年に比較すると10%増大している。次にひき逃げを見てみると、平成 四年度では1万8000件で、5年前の昭和62年の2万8000件より年々減少している。
●ひき逃げ
道路交通法第72条「交通事故の場合の措置」に、交通事故があったときは、当該車両
等の運転者は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を
防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合、当該車両等の運転者は、警
察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警
察署の警察官に交通事故が発生した日時及び場所、死傷者の数及び負傷者の負傷の程度
等を報告しなければならない。とある。従っていわゆる「ひき逃げ」は、救護義務及び
事故義務違反となる。
道路横断中の主婦、ひき逃げされ死ぬ
8月8日午後9時40分ごろ、東京都豊島区で、山手通りを横断していた主婦Sさん
(38)は、ライトバンにはねられ、両肺破裂などでまもなく死んだ。ライトバンはそのま
ま逃走したため、目白署でひき逃げ事件として捜査。( 朝日85・08・09)
目白署は翌9日夜、会社員M(26)を業務上過失致死などの疑いで緊急逮捕した。調
べによると、Mは8日午後9時40分ごろ、乗用車を運転中、赤信号を無視し、横断歩道
を自転車でわたっていたSさんをはねて死亡させた後、そのまま逃げていた疑い。調べ
に対しMは、「新宿で同僚と酒を飲んだあと、自宅へ帰る途中だった。酒酔い運転がバレ
るのがこわくて、そのまま逃げた」などと供述した。(朝日85・08・10 夕)
道路を歩いていてひき逃げされる
8月24日午前零時35分ごろ、東京都江東区の明治通りで、近くに住む会社員Mさん
(33)が、酔って道路を歩いているところを車にひかれて倒れているのを通行人が見つけ
た。救急車で病院に運んだが、内臓破裂などで間もなく死んだ。(朝日85・08・24 夕)
●無免許運転
(罰則)無免許運転は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する(第118条)
無免許少年ら5人が衝突死
10月25日午前零時40分ごろ、福島市松川町の国道四号で、レストラン従業員Sさん
(17)運転の乗用車が、運送会社勤務Tさん(33)運転の大型トラックと正面衝突した。
乗用車の16歳から18歳までの男性4人、女性2人の計6人のうち、Sさんら5人が死
亡、女性1人が全身を打って重体。福島署の調べによると、Sさんは無免許。また、乗
用車は定員5人だった。(朝日85・10・25 夕)
●酒酔運転
(酒気帯び運転等の禁止)の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合
において酒に酔った状態にあった者は、2年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する
(第117の二)
平成4年度の酒酔運転による死亡事故は532件で、違反による死亡事故の4.9%である。
それでも1日あたり1.4件と多い。
トラック、酒酔いで追突。女性2人死亡
8月9日午前零時40分ごろ、東京都足立区の区道で運転手T(24)の普通トラックが、
駐車中の大型トラックに追突、Nの車に同乗していた家事手伝いMさん(23)と会社員
Kさん(22)が全身を強く打って間もなく死亡、Tも頭に2週間のけが。調べによると、
Tは常磐線亀有駅前のスナックで酒を飲んだあと、同スナックでアルバイトをしている
MさんとKさんを車に乗せて家に送る途中だった。ブレーキをかけずに追突しており、
酒酔いとわき見運転が原因とみられる。(朝日85・08・09 夕)
●観光バス事故
(過労運転等の禁止)の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処
する(第117の二)
(車両等の使用者の義務)車両等の使用者は…安全な運転に関する事項を遵守させるよう
努めなければならない(第74条)
次のケースは2つともバス会社の運行管理責任が問われたものである。
スキーバス事故、「運行管理にも責任」、バス会社を送検へ
昭和60年の1月28日、長野市信更町の国道19号笹平ダム湖に三重交通のスキーバス
が転落し、日本福祉大学の学生ら25人が死亡した事故が起きた。長野県警と長野中央署
は、事故原因は、過労状態にあった運転手の判断ミスと断定。運転手に2週間連続の過
密勤務を命じていた会社にも運行管理責任があるとして、三重交通と、同社四日市営業
所の路線バス運行主任(45)を、道交法75条(過労運転の命令、容認)違反の疑いで、
長野地検に書類送検する方針を決めた。死亡したD運転手(当時42)も業務上過失致死
傷容疑で書類送検する。
D運転手は、1月15日から28日までの2週間、1日も休みをもらえなかった。24日
には、新潟県・赤倉温泉スキー場まで客を運び、帰社した翌日の26日から2日間は早朝
から路線バス業務に。27日は、わずか3時間の休憩後、長野県・竜王スキー場に向けて
深夜のスキーバスを運転、事故を起こした。
県警は会社が、D運転手の過酷勤務を知りながら、深夜・長距離のスキーバス業務に
就かせており、運行主任も、事情を知りながら勤務表をつくったとしている。(朝日85・
08・26)
2階建て観光バスが転落。3人死亡
10月5日午後1時15分ごろ、山梨県北巨摩郡須玉町の中央自動車道須玉インタから約
2キロ長野県寄りの上り車線で、山梨県へぶどう狩り、昇仙峡見物などに行く途中の福
井市の京福電鉄福井支社の2階建て大型観光バスが、中央分離帯を突き破って反対車線
に飛び出し、約30メートル下の県道に転落、大破した。バスには福井日本電気の従業員
60人と乗務員ら計65人が乗っており、乗客のKさん(21)ら3人が死亡、61人が重軽傷
を負った。N運転手(44)は同4時ごろ、転落現場から約200メートル離れた木に首を
つって死んでいるのが発見された。
バスは制限速度の70キロを約30キロも超えるスピードを出していたとみられ、わずか
にスリップ痕は残っているものの、中央分離帯のガードレールに一直線にぶつかってい
る。このため、N運転手の居眠りかわき見運転の可能性が強いとみている。(朝日85・10・
06)
その後の調査では、山梨県警は、バスの後部タイヤ6本が著しく磨耗していたことを
重視し、京福電鉄福井支社業務上過失致死傷の疑いで家宅捜索、車両管理責任を追及し
た。(毎日85・10・09)
●自動車保険金支払
自動車損害賠償責任保険(責任保険)は自動車の起こした人身事故にたいし、政令で
定めた保険金額を支払う制度であるが、平成3年度に支払われた保険は93万件、7800億
円にのぼる。そのうち死亡に関する保険金の支払いをみると、平成3年度の支払件数は
1万1560件で、平均支払額は2087万円。また政府ではひき逃げや無保険車による事故の
被害者に対し、保障を行なっているが、平成3年度ではひき逃げや無保険に対し、約38
億円を支払っている。
(自賠責保険)保険会社は…保険契約者又は被保険者の悪意によって生じた損害について
のみ、てん補の責を免れる(第14条)
「未必の故意」の事故に保険金支払い命令
昭和54年10月、甲府市内で男性Bが男女間のトラブルから、タクシー運転手の車の発
進を妨害、運転手が急に車を動かしたので路上に転倒、頭骨を折って死亡した。死亡し
た男の妻Aは、この運転手を相手に損害賠償を求める裁判を起こし勝訴、運転手は任意
保険契約を結んでいた保険会社に支払を求めた。しかし同社は、「保険約款では、ドライ
バーに故意があった場合、保険会社は支払を免責される」として支払を拒否した。その
後Aは、タクシー運転手に替わって訴訟を起こした。(毎日85・10・26)
昭和60年10月25日の東京地裁の判決で裁判長は、「免責条項の故意は、運転者に『け
がをさせる』という確定的認識があった場合を指し、本件のような『未必の故意』の場
合は含まれない」との判断を示して、保険会社に計約820万円を支払うよう命じた。任意
保険の免責問題に関して無免許、酒酔い運転についても免責されない、と約款が改訂さ
れるなど、徐々に免責の範囲が縮小される傾向が強まっているが、「未必の故意」の場合
も免責されないとした判断は初めてある。(朝日85・10・26)
交通事故による賠償問題のための訴訟または調停は、平成4年度で1万1000件、被害
者100人につき約1.4人の割である。
●突然死
清掃車を運転中に発作、死ぬ
5日午後1時半ごろ、東京都練馬区の新青梅街道で、小型清掃車を運転していた運転
手Kさん(53)は、突然気を失って車ごと道路わきのコンクリート製電柱に激突、近く
の病院に運ばれたが、すでに死んでいた。助手席に乗っていた清掃事務所職員Nさん
(45)が左腕の骨を折って1カ月のけが、同Sさん(45)も頭を強く打って入院した。石
神井署の調べによると、Kさんは血圧が高かった。(朝日85・11・06)
車運転中の急死、都で2年間に43人。3割は営業車、事故に直結は9件
車の運転の最中に「突然死」したドライバーが昭和58年、59年の2年間に東京都内で
43人いた。うち2割は急死が原因で衝突事故などを起こしている。死因の多くは心臓病
で、ドライバーの高齢化が背景にある。急死の43人はいずれも男性。運転車種で分ける
と、マイカーなどの乗用車19人、タクシー11人、トラック6人(自家用を含む)、バス
1人、その他6人となっている。うち9人の急死は、そのまま交通事故につながった。乗
用車3人(追突1、衝突2)、タクシー2人(衝突2)、トラック2人(同)、バス1人(衝
突)など。ほかは、ふらふら運転で路肩に近づいて止まり、発見された時にはドライバー
が死んでいたり、交差点の信号で停止中に息を引き取った人もいる。年齢別では40歳代
(12人)、50歳代(同)、60歳代(10人)と、中、高年齢が7割以上を占める。死因は心
筋こうそく(21人)、心臓弁膜症(2人)など心臓病が7割、脳出血(7人)、くも膜下
出血(4人)など脳血管障害が3割。死亡した当日は、外見上に異常がみられないまま
運転を始めたケースばかりで、突然死の典型という。(朝日85・11・13)
●海外の交通事故
何といっても車の本場アメリカでの交通事故による死亡者数は多い。1991年度では4
万1150人で、日本の3.7倍。しかし車の数そのものが多いから、それを考慮すると、自
動車1万台あたりの死亡者は2.4人である。日本では平成4年の統計で1.8人である。
お隣りの韓国をみると、1991年度の交通事故による死亡者は1万2363人と日本よりも
多い。また自動車1万台あたりの死者は31.6人ときわめて高い数字を示している。次い
で中華人民共和国では、死者5万3292人。自動車1万台当たり87.9人とこれも高い数字
である。
(資料『交通安全白書』(平成五年版)、朝日新聞、他。なお法律の条文は、一部表記等を
変えてあります。)